松田聖子25周年、映像で見る進化の軌跡!
まず、皆さんに重要なお知らせがあります。
そ、それは…長らくご贔屓いただいたこのコーナーですが、つ、ついに…映像作品の復刻盤も積極的に取り上げることにしましたので。
というのも、松田聖子25周年記念で、なんと13枚組というスゴイDVDボックス「」が出るから。
お値段は張りますし、完全生産限定盤ですし、コレって超コアな聖子ファン以外買わないんじゃないの?と思えるシロモノですが、ソニーもほとんどプロモーションしてないし、聖子のファンサイト以外では注目されてる気配がないので、紹介することにした次第です。
内容はといいますと、過去にビデオやLDで発売されたライブとビデオクリップ集の中で、未DVD化の15タイトルを一挙収録。長らく廃盤で入手困難になっていたビデオ黎明期の貴重ライブも入ってて、聖子の歌に囲まれて80年代を過ごした人なら、ファンでなくとも感涙もののボックスとなっております。
しかも特典として、未発表映像などを編集したプレミアムDVD付き。特製ボックス入り、豪華特製ブックレットもあるとなりゃ、やはり手元に置いておきたくなりますね。
ワタシのオススメは、やはり初期の貴重映像。
最も古いのは82年の「ファンタスティック・コンサート レモンの季節」。「渚のバルコニー」が新曲だった頃ですから、光る汗すらフレッシュなアイドル聖子を堪能できます。惜しむらくは、もうこの頃は“聖子ちゃんカット”じゃないんですよね。
余談ですが、聖子に女性ファンがついたのは「赤いスイートピー」がいい曲だから…というのが定説ですが、ワタシは異論を唱えたい。それは「赤いスイートピー」で聖子ちゃんカットをやめて、ブスに見えるようになった聖子に、世の女子はやっと気を許したからなのですよ、きっと。
ユーミンのステージに傾倒し、あげくには伊集院静を起用してしまった「Seiko land~武道館ライヴ '83」をはじめ、結婚休業前の「SEIKO CALL」は、アイドルのライブを超えたステージングと、懐かしい80年代演出にため息。2年ぶりに完全復活を遂げた87年の「Super Diamond Revolution」や、89年に根岸吉太郎監督が演出した「Sweet Spark Stream」までは、聖子の黄金時代というものをハッキリ記録しています。
コーラスにメガネを外した河合夕子(!)や下成佐登子の姿が見えたり、南沙織の義弟・大谷幸(ロージィーの今の旦那さんです)や、のちの共作パートナーとなる小倉良らダンガン・ブラザーズ・バンドの面々など、バックのメンバーにも注目です。
バブル時代の濃いムードとか、サウンドやダンスのキツい感じもまたよしとして…。
それが急速に失速するのは、90年の「Precious Moment」から。
オリコンのチャートナンバーワン記録を逃した頃ですが、その原因がわかるような気がする…。ここからいわゆるセルフ時代に突入するワケですが、衣装やヘアメイクがとんでもない世界になるのが面白い。舞台用とはいえ、すべてが濃くってケバくって、そのうえチープ…。お嬢2世と言われるのもわかるな。
それが「LIVE 1992 Nouvelle Vague」からは、あふれるほどの自信が感じられる仕上がり。マドンナばりの衣装とダンスは、TVの歌番組しか知らない人は、ちょっとビックリするかも。
セルフ時代は、前半がその当時出たニューアルバムから、後半が懐かしいヒットメドレーとMCなんですが、年を追うごとに、ファンクラブの集いみたいにクロージングした雰囲気になっているんですよね。
数多のスキャンダルでナーバスになってた年だって、他では絶対見せないような表情をのぞかせる聖子。警戒心を忘れさせてくれるファンの皆さんだけには目一杯サービスしますよ、というスタンスなんですね。
これは現在も脈々と続いてるパターンです。25年の変遷(実質的には82年から94年の12年ですが)は聖子の顔やメイクにも如実に表れてて、その軌跡を意地悪く追っていくのも一興です。
聖子ってば、ダンスが激しくなるとともに、口パクもかなりなもので賛否両論ですけど、ワタシは支持派です。なぜかって、それは聖子のショウビズに対するプロ意識の表れだと思うから。
シンガーによるライブではなく、エンターティナーによるパフォーマンス。ファンが望む松田聖子ショウを徹底的に、パーフェクトにこなす…そのスタンスを知って臨めば、このDVDであろうと、ナマのステージであろうと十二分に楽しめるハズです。
あー、早くプレミアムDVDを見たい。
なお、大枚はたけないという人は、15周年の時に出た記念編集盤「 VIDEO BIBLE-Best Hits Video History- [DVD] 」がオススメ。
各ライブからスイッチしてつなぎ合わせたヒット曲や、プロモ、TV-CMまで収録と丁寧な作りのお得盤です。
また、ソニーの映像をフルコンプしたいという人は、95年のツアー「LIVE It’s Style’95」やベストライブ集「Bon Voyage~The Best Lives and Clips」、近年の「2002 Jewel Box」「2003 Call me」「COUNT DOWN LIVE PARTY 2003-2004」「2004 Sunshine」を併せてお求めください。
マーキュリー時代にも数々の映像集が出てますが、オススメはプロモをたっぷり収録したベストビデオ「Video the LOVE」と、20周年の記念ライブにしてザ・ベストテンの映像とリンクしたヒットメドレーが圧巻の「20th Party」です。
(2005.4.18)
*「25th Anniversary Seiko Matsuda PREMIUM DVD BOX」はいったん完売しましたが、05年8月中旬発売予定でアンコールプレスが決定しました。(2005.6.16追記)