アグネス、よしえ、ヒロリンの…名曲の作り方
大野さんと言えば、スパイダースとかPYG、井上尭之バンドの一員であるとか、多くの人はジュリーのメロディーメーカーとしておなじみの人だと思うんですけど、ワタシにとってはやっぱTBSドラマ「寺内貫太郎一家」の人。
浅田美代子の項でも書きましたけれど、ミヨちゃんの「きょうは留守番」(寺内貫太郎一家劇中歌「虹の架け橋」片面、「 GOLDEN☆BEST/浅田美代子 」に収録)で初めてその名前を意識したものです。
もちろんジュリーやヒロリンに書いた曲も好きですけど、ご本人が歌う大野克夫デモテープ集「幻のメロディー」シリーズは、インディーズ企画にしてシビレルほど素敵な出来。
文字通り全ての作曲、演奏、歌を大野さんが手がけたものなのですけど、いわゆるデモテープのレベルを超える完成度にちょっとビックリするんです。
これまで「 幻のメロディー 」「 幻のメロディー(2) 」「 幻のメロディー(3) 」とジュリーや大人の歌謡曲中心で、臍をかんでたのですが、ついにアイドルや女優などに書いた作品を集めた「 幻のメロディー4 」がリリースされました!
残念ながらミヨちゃんや淳子への提供曲は入っておりませんが、全14曲、なんともツウ泣かせのチョイスなのです。今回は女性への提供曲ということで、ボーカルもこれまでとはちょい違いますけどね。
アグネス・チャンに書いた「明日帰ります」から始まるこのCDは、木之内みどり「独白~モノローグ」、岩崎宏美「今夜のあなた」など70年代のビッグネームではなく、一時期、相当力を入れていた柏原よしえ(きっと阿久さんの関係だろーね)がメインと言えます。
「第二章・くちづけ」「抱きしめる、という感じ」「めらんこりい白書」「さよならを想い出に変えて」とた~くさん収録してます。
女優陣では、薬師丸ひろ子の「カーメルの画廊にて」や中島めぐみの「あなたにBETTERぼれ」、田中美佐子の「ファドが聴こえる」などなど。
しかし何と言っても極めつけは、花の82年組、東芝イチオシの実力派でレッツ・ヤンのレギュラーだったのに花開かなかった川島恵の「さよならの言葉は云わないで」でしょう。
ワタシ的には「ザ・サンシャイン・ボーイズ」が大好きだったのですけれど、また続編が出ることを願いたい…。
(2005.10.9)