珠玉のヒット曲集…レア的にはいいとこフルハウス
去る3月、ポリドール黄金時代のオリジナルアルバム一挙復刻が話題を呼んだジュリーですが、ベスト盤は長いこと入手困難が続いていたみたい。
大ファンならともかく、ジュリーのヒット曲を聴きたい人たちは欲求不満が募っていた模様…。
そんでかどーかは知りませんけれども、今度は79年から続いたジュリーの名ベスト3部作「ロイヤルストレートフラッシュ」シリーズが復刻されることになりました。
もちろん最新デジタルリマスタリング、2000円ポッキリというお得なプライスもうれしさひとしおです。
まずは79年発表の「 ロイヤル・ストレート・フラッシュ 」。
いかにもジュリーらしいタイトルが話題を呼びましたね。こちらには、
当時の最新曲「カサブランカ・ダンディ」をはじめ、指なめの「ダーリング」、ビーチク丸見え肉襦袢の「サムライ」、サスペンダーがオシャレだった「憎みきれないろくでなし」レコ大受賞曲「勝手にしやがれ」など第二期黄金期、一等賞ジュリー時代を中心に、「時の過ぎゆくままに」や、歌謡大賞を取った「危険なふたり」「許されない愛」「追憶」といった懐かしめの作品までを網羅。
当時の常識で12曲しか入ってないのが残念ですけど、ワタシとしては唯一A面ではない「あなたに今夜はワインをふりかけ」が入ってたのがウレシかったです。
続いて81年の「 ロイヤル・ストレート・フラッシュ 2 」。
ライバルだったPLとリンクしたのかしてないのか、NMの台頭で勢いが落ちちゃった「Oh!ギャル」から、盛り返した「TOKIO」、先祖返りした「お前がパラダイス」「渚のラブレター」などのGS系、そして「ス・ト・リ・ッ・パー」までが中心。ですが、久世さんの詩が素敵な「コバルトの季節の中で」をはじめ「さよならを云う気もない」「立ちどまるなふりむくな」など70年代からもチョイスしてます。
やっぱ12曲なんですけど。
そして「 ロイヤル・ストレート・フラッシュ 3 」 は、84年発表。
落ち目の「どん底」を筆頭に「麗人」「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」「晴れのちブルー・ボーイ」といった妖しいジュリーや、大沢誉志幸の「お前にチェックイン」や「きめてやる今夜」などのポップな一面、陽水の「背中まで45分」といった個性的な表情など、バラエティには富んでいるものの、パワーダウンは否めない感じ。
だからなのか、「勝手にしやがれ」「TOKIO」「ス・ト・リ・ッ・パー」「サムライ」もまたまた収録されて、純粋なシリーズじゃなくなったのが悲しいところ。なんだかストレートフラッシュですらなく、フルハウスという感じです…。
とまあ、20年以上も前の企画ものというか、アナログ盤の復刻という企画意図は分かりますが、歯抜けにダブリありで、きっちり聴きたい人にはちょっと…というのが正直なところです。
東芝時代に出た新編集の「Royal Straight Flush 1971-1979」「Royal Straight Flush 1980-1996」(いずれも廃盤)は時系列でシングルの軌跡を追ってたし、そっちの復刻の方がよっぽどいいのに。と言っても権利が移ってるんで無理ですけど…。
ならいっそ3枚組のCD初ベスト「A面コレクション」をリマスタリングする方が…。だって、デビュー曲の「君をのせて」ですら、今、CDで買えない状況だしさ。
と言いつつワタシとしては、今のジュリーにもっと輝いてほしいんですけどね。
(2005.7.22)