星空に舞い歌う、エキサイティング・ライブ!
デビューからわずか1年。脅威のモンスターとなったPLは、実はライブでこそ本領を発揮するデュオでした。
この「サマー・ファイア’77」は、3作目のアルバムにして早くもライブ第2弾。
どーしてかと言うと、出すレコードすべてがビッグヒットするためレコード会社はLPをガンガン出したかったのだけど、日本一の売れっ子の彼女たちにはスタジオでレコーディングする時間が全くなかった…。
事務所的にはレコードを出すよりも営業した方がはるかに儲かるしね。そんな背景と思惑を物語っていますよね~。結局、解散まで、PLが出すLPは、ほとんどがライブ&ベスト盤でした。
さて、このライブは東京・田園コロシアムで行われたコンサートの実況録音盤で2枚組。
野外コンサートなので、音響が…という感じですが、そんな心配は神がかり的なピンク旋風と、ミーとケイの一生懸命が吹き飛ばしています。
お得意のBCRをはじめ、モータウン系やアバ、スティーヴィー・ワンダー、レイ・チャールズ、ビートルズまで、オープニングからロックっぽいノリで迫る2人。
洋楽メドレーでガンガン押しまくってオリジナル曲がなかなか出てこない構成に、TVだけしか知らないちびっ子たちは度肝を抜かれたことでしょう。
前田憲男さん指揮・編曲というのも泣かせますよね。
ノリノリの「ロックン・ローラー・コースター」の流れで、後の「乾杯お嬢さん」や「S・O・S」もダイナミックな印象。音量を大きくして聴くと、なんだか会場にいるみたい。
まるで時間のおした紅白みたいなテンポの「ペッパー警部」や、ライブだけのお楽しみといった感のあるCMメドレーなど、充実です。
ワタシ、当時はライブ盤って手抜きのような気がしてたのですけど、改めて聴いてみて、大人になった分この醍醐味が堪能できたよーに思います。
ラスベガス録音「アメリカ!アメリカ!アメリカ!」も聴きたくなってきちゃった…。
まあ、ピンクに限らず、昔のコンサートってこういう構成が多かったんですけど、他の歌手と決定的に違うのは、やはり激しいダンスをしながら歌い狂うという姿。
まだまだ疲れを知らない若きレディーたちの、飛ぶ鳥を落とす勢いが伝わってきます。
しかし、今回、「チャレンジ・コンサート」を飛ばしてなんでコレだけ復刻されちゃったんでしょう? ナゾだと思っていたら、10数年前、「チャレンジ・コンサート」「バイバイ・カーニバル」のライブは個人のカスタム盤という形で一度復刻されてるらしいです…。
(2005.7.3)
*「サマー・ファイア'77」は発売中止となりました。ご注意ください。(2005.7.20追記)
*2006年7月26日より「
サマーファイヤー’77(紙ジャケット仕様)
」として、ビクターより再発(VICL-61946~7、¥3,150)となります。その他ピンク・レディーのオリジナルアルバムも一挙復刻となります。詳しくはこちらを。(2006.6.2追記)