ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1280
ハイ・ファイ・セット/GOLDEN☆BEST コンプリート・シングルコレクション
(2026.5.27発売、MHCL-31164~5、¥3,850<税込>) 
*ソニーミュージック【GOLDEN☆BEST】シリーズ定番タイトルBlu-spec CD2再発<第2回15タイトル>

3社にまたがるシングルA面+αのブルスペ再発!

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 まず4月に18タイトル( こちらこちらなどで紹介)、続いて5月に15タイトル( こちらで紹介)と、ソニーミュージックからゾクゾク発売される「GOLDEN☆BEST」のBlu-spec CD2再発。
 CBS・ソニー、EPIC・ソニー、アルファ、RCA、ファンハウスなど、ソニーミュージックが擁するレーベルの定番G☆Bを高音質CD化するというシリーズですが、今回は第2回発売のラインアップからハイ・ファイ・セットの「 GOLDEN☆BEST ハイ・ファイ・セット コンプリート・シングルコレクション」( Amazonではメガジャケ付き!)をピックアップしましょう。
 
 ハイ・ファイ・セットといえば、伝説のグループ・赤い鳥から分離独立したコーラストリオで、ソプラノの山本潤子さん、テナーの山本俊彦さん、バスの大川茂さんで結成。1975年2月にユーミン提供の「卒業写真」でレコードデビューを飾り、活動を停止する1992年まで、潤子さんの驚くべきハイトーンをメインにフォーク、ポップス、ジャズ何でもござれ、ジャンルを超えた洒脱なハーモニーで多くの人を魅了していったのはご存じの通りです。
 それまでの日本になかったファッショナブルなコーラスワークで、当時のフォーク・ニューミュージックよりもさらに洗練されたシティポップをいち早く展開したことでも知られていますが、近年は、そのシティポップのブームで再評価が高まり、アルバムの復刻( こちらこちらなどで紹介)やヴァイナル化( こちらで紹介)なども活発です。
 
 ハイ・ファイ・セットのG☆Bとしては、ユーミンと杉真理さんからの提供作を集め、超ロングセラーを記録している「 GOLDEN☆BEST ハイ・ファイ・セット 荒井由実・松任谷由実・杉 真理 作品集」(通常CDのほか、限定Blu-spec CDも出ていました)がありますが、今回Blu-spec CD2化されるのは2012年のG☆B再発となる2枚組の「 GOLDEN☆BEST ハイ・ファイ・セット コンプリート・シングルコレクション」。
 
 アルファ(発売元は東芝EMI)、東芝EMI、CBS・ソニー/ソニー・ミュージックエンタテインメントと3社にまたがっているキャリアを横断、27枚リリースしたシングルA面を一通り網羅し、ボートラを追加した全35曲のベストアルバムです。
 DISC1はアルファ時代で、75年のユーミン作のデビュー曲「卒業写真」から78年の「少しだけまわり道」まで。当初からユーミン作品で注目を集め、支持されたハイ・ファイ・セットですが、彼らの人気を決定づけた最大ヒットが76年末の洋楽カバー「フィーリング」。
 なお、今回は「土曜の夜は羽田に来るの」「ファッショナブル・ラヴァー」「クリスタル・ナイト」というもB面曲入ってる上、ボーナストラックとして、超有名なユーミン作品「海を見ていた午後」と「中央フリーウェイ」、リー・リトナーも参加したアメリカ録音盤「The Diary」から岩谷時子さんの訳詞が胸を打つ「遠くからみちびいて」と、有名ボッサ「海辺の避暑地に」というカバー作品が追加収録されています。
 
 DISC2はEMIとソニー時代で、東芝時代は、JALのキャンペーンソングとなった78年の「あめりか物語」から83年の資生堂のCMソング「ラブストーリーはこれから」までとなっておりますが、東芝時代で注目は1年間の休養を経て展開したマンハッタン・トランスファーのようなヴォーカリーズの4ビート路線。「NOVEMBER RAIN」「ハローMr.Telephone」「miss you」はジャズファンも必聴です。
 一方、ソニー時代はぐんとポップにイメチェン。84年のシチズンのCMソングのスマッシュヒット「素直になりたい」から、91年のテレ朝火曜ミステリー劇場のテーマにして盟友・小田和正書き下ろしの「忘れないわ」までですが、杉サマをメイン作家にぐんとポップになったおなじみの名曲群がずらり。名盤「パサディナ・パーク」からシングルカットカットされた「水色のワゴン」、沢口靖子の目尻にほうき星が流れた「星化粧ハレー」、須藤晃プロデューサーの詞が泣かせる「ひときれの恋」の流れは、古き良き名画を耳で聴くようです。
 東芝時代では五木寛之先生が作詞した映画主題歌「燃える秋」と両A面扱いだった「熱帯夜」が抜けてる一方、ソニー時代では「素直になりたい」のB面だった「Good-bye school days」が入っていたりしますが、名曲なのでよしとしましょう。
 
  今あらためてハイ・ファイ・セットを聴くと、日本では後にも先にも、ここまでハイセンスなコーラスグループが存在しなかったと確信。もっともっと聴いてみたいと思うでしょうから、この続きとして、シングルAB面コンプリートを求めるなら、2006年に通販限定出た4枚組ボックス「 ハイ・ファイ・セット GIFT BOX」(解説を担当させていただいております)をオススメします。
 ちなみに、オリジナルアルバムは19枚、ライブアルバムは1組出ていますが、今CDとして入手するなら、アルファ時代は全音源完全収録の「 ハイ・ファイ・セット アルファミュージック編 1975~1978 」( こちらで紹介)が完璧。77年の年間ランキング1位の「ラブ・コレクション」( こちらで紹介)をはじめ、「DIARY」( こちらで紹介)などの数枚は単品でも復刻されています。
 東芝やソニー時代のオリアルも、シティポップブームに乗って再復刻されていますので(こちらやこちらで紹介)、ぜひ深掘りしていただければと思います。
 
 なお、ハイ・ファイ・セット活動終了後、ソロに転向した山本潤子さんですが、声の不調を理由に、2015年から無期限の休養に入ったまま。5枚組BOX「Junko Yamamoto ALL TIME SONGS」( こちらで紹介、解説を担当させていただいております)には、赤い鳥時代からハイ・ファイ・セット、ソロの人気曲が集約されていますので、この機会に併せてぜひお手元にどうぞ。
 

(2026.4.1)

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