ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1250
比企理恵/ベスト
2004.12.1発売、COCP-33035、¥2,619<税込>) *タワーレコード限定再販売

第4回HTSC優勝者、唯一の初ベストが再販売!

 先日も こちらで紹介しましたが、気がつけば1枚、また1枚というように、マニアックな生産中止盤を復活させてくれるタワーレコード。最近はアイドル系のラインアップが増えていますが、このほど 昭和アイドルタワレコセレクションに追加されたのが80年度デビュー組の2タイトル。
 比企理恵「 比企理恵 ベスト」と、甲斐智枝美「 ゴールデン☆ベスト 甲斐智枝美 ~コンプリート・コレクション~」。奇しくも2人ともホリプロ所属のアイドルで、オールソングスコレクションとなるベストアルバムの再販売です!
 
 80年組といえば、今年が45周年のアニバーサリー。既に聖子( こちらで紹介)、トシちゃん( こちらで紹介)、よしえ( こちらで紹介)とこの年を代表するビッグアイドルの周年企画が相次いでいますので、今回のタワレコ再発も、勝手に45周年記念と思ってご紹介しましょう。
 
 まずは、榊原郁恵、西村まゆ子、能勢慶子に続く、ホリプロタレントスカウトキャラバン優勝者・比企理恵。弱冠14歳、“もぎたてのマスコット”というキャッチフレーズで79年12月、80年組の先陣を切ってデビューしました。
 今回再販売されるのは、2004年にアイドル・ミラクルバイブルシリーズ第2弾として発売された「 比企理恵 ベスト」。
 デビューシングルの「恋のローラー・ブーツ/ラブ・チェアーにすわって」から「ARE YOU HAPPY?/Mr.スーパーボール」「陽気なフラ・ベイビー/恋って不思議ね」「恋のワナ・ワナ/ホット・ラブ NO.1」、そしてラストシングルの「想像力少女/オールマイティ」まで、シングル5枚のAB面を完全収録。
 これに、ほぼベスト盤みたいだった唯一のアルバム「ラッキー・ギャル」からこのアルバムでしか聴けなかった「Fall in love」「ヨット・ハーバー・ラブ・ソング」2曲(佐々木勉作品なのでシングル候補だったのかもしれませんね)を追加し、さらにシングルA面のオリジナルカラオケをプラスした、全17曲となっています。
 理恵ちゃんの場合、このCDが出るまでは、2001年の通販限定BOX「ホリプロ タレントスカウトキャラバン25th MEMORIAL」でシングル4曲が聴けるだけでしたのでまさにアイドル・ミラクルバイブルシリーズ様々、ファン待望の初ベストという位置づけだったワケです。
 
 さて、理恵ちゃんは、脱カワイコちゃんによるアイドル革命を起こしたスカウトキャラバン出身ですし、過去や以降の優勝者を見ても分かるように、ありがちなアイドル路線ではなかったのは当然のこと。
 ただ、前の2人がコケたせいか、あるいはキャラバン決戦大会で「青春気流」を歌ったせいか、はたまたレコード会社が同じコロムビアだったせいか、最初は郁恵ちゃん路線直系という感じがしたのも確かです。実際、楽曲のメインライターは佐々木勉さん。2曲目までは作詞に橋本淳さんを起用し、「恋のローラー・ブーツ」はローラースケート、「ARE YOU HAPPY?」はテニスとトレンドを取り入れたりして、スポーティーで健康的なナンバーを展開。
 80年代という新しい時代にはちょっと逆行した感じもしますが、中学生アイドルにはふさわしい爽やかなイメージでしたし、ここまでは露出もかなり多く、ドラマ初出演が水曜劇場の「なぜか初恋・南風」だったことも含め、王道アイドルの感じはあったんですよね。
 
 しかし、エキゾチックな顔立ちや、バラエティーやドラマで見せたおきゃんなキャラクターに加え、小動物みたいな素ばっしっこいイメージとの乖離はあったのも確かで、第3弾の「陽気なフラ・ベイビー」では巻き返しを図ってか、素に近いコミカルな方向へとシフト。郁恵ちゃんの「夏のお嬢さん」の成功を意識したといえますが、勝負を賭けたであろうポイントは、テレビまんが声というか、ムーミン谷のミイ声というか、理恵ちゃん独特の声質。この曲ではその特徴を生かしたシャックリ唱法を確立、一皮むけた比企節を完成させたのです。
 佐々木作品特有のちょっと下世話なムードも郁恵ちゃんよりマッチしていますし、それを含め80年代アイドルっぽい個性といえます。そういう意味では、これがアイドル・比企理恵の最高傑作ではないかと思っておりまして、衣装などもコンセプチュアルに冒険していれば、かなりのインパクトを残せたはずです。
 
 ただ、セールス的にはやっぱり厳しく、新人賞レースにも食い込めなくなってきたのも確か。
 続く「恋のワナ・ワナ」では、郁恵ちゃんを「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」でブレイクさせた森雪之丞さんを起用するのです。「アメリカン・グラフィティ」のリバイバルに端を発した60年代のロックンロールやカバーポップスっぽい曲調ですが、世界観はハンバーガーショップでおしゃべりしている等身大の中学生といいますか、テレビで理恵ちゃんが見せていた、こまっしゃくれたクラスメイト的な姿そのまま。個人的には、理恵ちゃん自身のアイドルとしての魅力が最も出ているのはこっちだった気がします。
 そういえば実家が焼き鳥屋さんで、学校に持って行くお弁当には残り物を入れているとか、そんな飾らないエピソードも含め、親近感を持って応援していたことを思い出します。
 
 さすが4万6千人の中から選ばれただけあって、聖子や良美とは違ったベクトルで勝負できるモノを持っていた理恵ちゃん。
次作「想像力少女」では流行のテクノ歌謡にも挑戦し、見事にこなすのですが、ここまで1曲もTOP100にチャートインできず。結局は、1年で結果が出なければ次の優勝者へというスカウトキャラバンの鉄則通り(第2回の西村まゆ子は素行不良で引退でしたが…)、歌の活動が終わってしまったのは残念な限りです。
 でも、今やホリプロでは郁恵ちゃんに次ぐ大御所ですからね。ドラマにミュージカルにヒーリングにと、45周年を迎えるまで息の長いタレントとして活躍してきたことを考えると、それだけの才能があったのだとファンの1人として胸を張ってお祝いしたいと思います。6月からはBS-TBSで「不良少女とよばれて」もスタート、ヤンキーメイクの理恵ちゃんも拝めることですしね!
 と、鼻息荒く理恵ちゃんのことを綴っていましたら、思ったよりはるかに長くなりましたので、続くチェミィは次回に繰り越しです…。
 

(2025.5.28)

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