ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1252
ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム <アナログ盤>
2025.6.20発売、SSAR-113、¥7,700<税込>) *180g重量盤LP

ステレオサウンド発、絶頂期のベストLP初復刻!

 1976年8月デビューですから、今年の8月でちょうど50年目というアニバーサリーイヤーに突入するピンク・レディー。
 2人そろっての活動はなくとも、ミーこと未唯mieさんはPLのレパートリーを新解釈で焼き直した“Pink Lady Night”を恒常化させていますし、ケイこと増田惠子さんもライブのみならずテレビの特番でPLのレパートリーを披露するなど、メガヒットの数々は色あせることなく、若い世代にも聴き継がれ、歌い継がれております。
 
 歌と振り付け、両方セットで楽しむのがPLナンバーの魅力であり醍醐味ですが、一昨年には、TBSに残る出演映像をトータルで8時間以上も集めた6枚組DVD-BOX「Pink Lady Chronicle TBS Special Edition」( こちらで紹介)がリリース。貴重映像満載の充実した内容で往年のファンを狂喜乱舞させたことでしたが、ここに来て78年に出たベスト盤がアナログのままで初復刻! 180g重量盤の「 ベスト・ヒット・アルバム<限定生産盤>」としてリリースされました!
 
 企画・販売は、ビクターではなくステレオサウンド。ステレオサウンド発のPLアイテムとしては、2020年に初SACD化が実現した「ピンク・レディー 阿久悠作品集」( こちらで紹介)以来となります。
 さすが音質に定評のある同社のアナログ復刻とあって、カッティング・エンジニアにはおなじみの松下真也さんを起用。ビクターのオリジナル・アナログ・マスターテープから、現代の聴取環境に合わせて最小限の音調整を施し、ラッカー盤カッティング用のマスターを制作したということですから、オーディオマニアの皆さんも納得の仕上がりとなっております。
 
 ちなみに、今回復刻となった「ベスト・ヒット・アルバム」は、PLのLPで最大のセールスを記録し2度バージョンアップCD化された77年版( こちらなどで紹介)ではなく、78年版。音楽賞でグランプリを総ナメし、紅白を蹴り、アメリカ進出が決定したPL絶頂期、最後のオリコンNo.1ヒットとなった「カメレオン・アーミー」と同時発売されたベストアルバムです。
 
 惜しげもなく同時発売の新曲が収録されるというのがPLのベスト・ヒット・アルバムらしい感じがしますが、デビュー曲の「ペッパー警部」から「カメレオン・アーミー」まで全10枚のシングルA面を網羅した上で、前年のベスト盤以降に発売されたシングルのB面4曲「アクセサリー」「キャッチ・リップ」「スーパーモンキー孫悟空」「ドラゴン」を追加収録。
 77年版と合わせるとシングルAB面をコンプリートできる、という配慮もなされた名ベストではないかと思います(注・77年版収録の「UFO/レディーX」はシングルとはボーカルが違うバージョンで、半年後の79年6月には「ピンク・タイフーン(IN THE NAVY)」までの全シングルAB面を収録した2枚組「UFO/サウスポー」が出ておりますが…)。

 ジャケ写は表が「モンスター」で、裏が「透明人間」と、それぞれの衣装がLPサイズならではの大型ポートで楽しめるのも魅力。歌詞カードが素っ気ないのはしょうがないとして、PLとしては初のアナログ復刻になることですし、胸熱になること請け合いです。
 
 PLの場合、殺人的スケジュールのせいでレコーディングの時間はシングルさえままならなかったので、アルバムと言えば実況録音のライブ盤で、ベストも含めるとシングルよりLPのリリースが多かった印象があります(78年は特に多作で、ライブ盤3作、企画盤1作、ベスト1作、映画サントラ1作と6タイトルもリリース)。音源としてはハイレゾも含め配信( こちらで紹介)されているのでサブスクでも難なく聴けますが、純然たるオリジナルアルバムは2タイトル(国内制作1作、アメリカ制作1作)しかないことですし、今後もこうしたパッケージによる復刻が続いていくことを希望します。
 
 余談ですが、70年代のビクターのベスト盤というと、チェリッシュの驚異的ロングヒットで知られる「スーパー・デラックス」シリーズや、新曲入りで展開されていた「ベスト・コレクション」シリーズが有名ですが、この「ベスト・ヒット・アルバム」は76年から79年にかけてリリースされたもので、最初は桜田淳子と岩崎宏美というさわやか路線のヤングアイドル2人の16曲入りからスタート。
 CBS・ソニーの「ヒット全曲集」や「THE BEST」みたく所属アーティスト一斉発売のシリーズではありませんでしたが、50周年でロゴ一を新した77年暮れからは一気にタイトル数が増加。殿さまキングス、青江三奈、西川峰子、松尾和子、フランク永井、佐良直美、田中星児、松崎しげる、海原千里・万里、橋幸夫、雪村いづみといったビッグネームの16曲入りが出た以降は、PLを含め14曲入りが中心となり、森進一、鶴田浩二、チェリッシュ、日吉ミミ、三善英史らベテラン勢に、太川陽介、アン・ルイス、平尾昌晃・畑中葉子といった初ベスト組も加わり、79年に単独で出た石野真子で終わったという記憶があります(古株のアーティストは、型番と内容は同じなのにジャケットと帯をリニューアルしていたような…)。
 16曲入りだったのは、型番でも分かるように、70年代前半に16曲入り2500円の豪華版として発売されたカバー曲入り企画ベスト「グランド・デラックス」の後継ということが関係していたように思いますが、内容的に後継だと思ったのは最後の「石野真子ベスト・ヒット・アルバム」。デビュー1周年を迎えたばかりでシングル曲が少なかったせいもあるでしょうが、半分がカバー曲で、いかにも「グランド・デラックス」的な構成でしたからね。

 あと、「ベスト・ヒット・アルバム」には、PLの「UFO/レディーX」や桜田淳子の「リップスティック」のようにオリジナルとは異なるボーカルがしれっと収録されていたりしますので、そのへんも含めて検証の上、いろんなアーティストのベストアルバム復刻も続いていけばいいですよね(PLや淳子はCD化済みです)。
 
 

(2025.6.25)

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