ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#1273
石川ひとみ/まちぶせ ~青春の45回転~ <アナログ盤>
(2026.4.15発売、TEJL-5004、¥4,950<税込>) *12インチアナログシングル

リリース45周年記念、45回転の12インチ!

 石川ひとみさんの代表曲といえば、1981年4月リリースのユーミン作品「まちぶせ」。
 78年のデビューから3年、フォトジェニックな肢体でグラビアでも活躍し、声優としても、司会でも評価を得るなど、タレントとしては安定した人気があったものの、歌手としてはなかなか芽が出なかったひっちゃんにとって、起死回生の大ヒットとなった名曲です。
 
 “石川ひとみの上にも三年”などという苦節フレーズも生まれましたが、元々は渡辺プロダクションの先輩、三木聖子さんのデビュー曲であり、いわゆるカバー曲のはしりでした。
 じわじわとヒットして同時期の岩崎宏美「すみれ色の涙」とともに歌謡界にリバイバルヒットのムーブメントを巻き起こし、翌年からの廃盤ブームを後押ししたといえますし、作者のユーミンにとっては、同時期に出した映画主題歌「守ってあげたい」と相乗効果を上げるようにヒットしたことから、荒井時代に次ぐ第二次ユーミンブームを牽引したといっても過言ではないでしょう。
 
 実際、15年後の96年には荒井由実名義でセルフカバーしてトップ10入りさせるなど、ユーミン本人の荒井回帰の象徴といいますか、記念碑的な楽曲となっていますからね。
 余談ついでに、「まちぶせ」がユーミンにとってのアイドル、フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて (Comment Te Dire Adieu) 」にインスパイアされた楽曲であることは有名ですが、最新アルバム「 Wormhole / Yumi AraI」に収録された「小鳥曜日」は「恋はみずいろ(L'amour est bleu)」を思わせるナンバーで、「まちぶせ」の姉妹曲のように思っております。
 
 もちろんひっちゃん自身にとっても、悲願の紅白歌合戦に初出場できましたし、歌手としての大きな勲章になったことは間違いありません。
 
 あれから45年。4月には東京と故郷・名古屋で「まちぶせ」発売45周年を記念したコンサートの開催が決定していますが、そのタイミングでアナログ化も発表されました!
 それが、45周年にちなんで4,500円(税抜き)、45回転という6曲入り12インチシングル「 まちぶせ~青春の45回転~」!
 
 ほかの収録曲は、オリジナルシングルのカップリング「懐かしきリフレイン」のほか、「まちぶせ」と同じ松任谷マンタさんアレンジで次のシングルに予定されていたという「にわか雨」、新旧のセルフデュエットによる2018年発表の「まちぶせ(81-18バージョン)」に、シティポップブームなどで近年再評価が進んでいるアルバム曲2曲(「ユーロディスコのカバー「恋のディスコ(Ciao Suvedesina)」と林哲司作品「さよならの理由」)をプラス。
 今回はオリジナル発売元のポニーキャニオンではなく、現在所属するテイチクからのリリースということですが、オリジナルのジャケットをLPサイズに拡大させたメガジャケも含め、ファンにとっては必携のコレクターズアイテムになること間違いなしでしょう。
 
 とはいえ、「まちぶせ」と数曲で終わってしまうのは至極残念。ひっちゃんはナベプロ帝国が最後に成功させた正統派アイドルですし、どんな曲でも器用に歌いこなす歌唱力と美声のボーカル、フォーク・ニューミュージックのシンガー・ソングライターによる作品群など、きちんと聴いておきたいアーティストですからね。
 その軌跡を手軽に追うなら、デビューから5年間という黄金期の楽曲に絞った最新ベスト「GOLDEN BEST 1978‐1983」( こちらで紹介)や、2018年の40周年時に出た自選の2枚組「40th 石川ひとみアンソロジー」( こちらで紹介)がオススメ。
 ひっちゃんの場合、アルバムも良作が多いので、個人的にはMyこれ!チョイスシリーズ(オリアル+シングルコレクションというコンセプト)の「ひとみ…+シングルコレクション」「夢模様+シングルコレクション」の2枚(解説を担当させていただいております)をオススメしたいのですが、CDは残念ながら廃盤につき 配信でお聴きください。
 

(2026.3.10)

Yahoo! JAPAN

  • このサイト内を検索
  • ウェブ全体を検索