悩みに暮れたときも、行く先を見失ったときも、
そしてまた、誰かを傷つけてひどく悔やんだときも。
めぐりゆく季節をたどり、歩き続ける日々の中で、
もう40年近くもの間、
このうたはいつもそばにい続けてくれています。
それはまるで、生きていく真理が綴られた福音書のよう。
心のひびわれに優しくしみ入り、たちまち傷を癒してくれるのです。
暗闇を照らすひとすじの光のように、行く手をそっと示してくれるのです。
そしてまた、前に向かって歩ける力を与えてくれるのです。
詩とメロディー、サウンド、そして歌声が奇跡のように一体となって
喜怒哀楽と、それにまつわるすべてを包み込み、昇華するうた。
声をつぶした太田さんには、往時のきらめきはないけれど、
輝きを失ったのと引きかえに、より深まったまごころが伝わります。
こわれもののような心を、そっと胸に抱えて生きる人のもとにだけ、
どこまでもまっすぐ届くように。
「つらい日々に泣いた記憶さえ
今はうつくしい夢の絵巻」
note:EP「恋人たちの100の偽り」1977.12.21
有線ではナンバー1に輝く地区も続出した大ヒット「九月の雨」の次作としてリリースされたシングル。両面ともオリジナル・アルバムには未収録のナンバーで、「四季絵巻」はカーペンターズの「ふたりのラブ・ソング」を下敷きにしたイメージ。ポップなサウンドの中にもノスタルジーを感じるメロディーで、まさに絵巻のごとく美しい情景が浮かんできます。「九月の雨」のロングヒットが裏目に出たのと、太田さんの声が不調だったためか、オリコン最高27位という結果に終わっていますが、もっと日の目を浴びるべき名曲です。
69:振子の山羊
68:どんないいこと
67:北駅のソリチュード
66:四季絵巻
65:水の影
64:さよなら夏のリサ
63:東京ではめずらしい四月の雪
62:dreamland
61:時 -forever for ever-
60:でんでん虫
59:TONIGHT
58:心の中のプラネタリウム
57:この国に生まれてよかった
56:風の笛
55:あしたまた会う子供のように
54:いいもんだなァ故郷は
53:車窓
52:最後の一葉
51:僕のお嫁さん
50:今だけの真実