ナツメロ喫茶店/うたノートvol.55


ナツメロ喫茶店

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  こころに残るあのうたを、力をくれるそのうたを、ちょこっと綴っておきました。

vol.55

あしたまた会う子供のように/由紀さおり・安田祥子

(作詩・山川啓介/作曲、編曲・坂田晃一 CD「あしたへ贈る歌ファイナル~ありがとう25年~」2011)



この世という場所で生きている限りは、
どんなに心を結んでいても、
どんなに固く誓い合っても、
それがたとえともに暮らす家族であろうとも、
それぞれに歩く道は違い、
最後には必ず別れ別れになってしまいます。

それならば、追いすがり泣き叫ぶよりも
笑ってそっと手を振ることができたら、どんなにいいでしょう。

悲しみなんか忘れたように、ケロリとして。
さようなら、またね。また会いましょうと
微笑みながら片手を挙げて。

そうすれば、いつかまた
絶対に再会できる気がするのです。
永遠の別れなど、実は存在しないことを信じられる気がするのです。


「なにも言わずに うなずき合って
 それぞれの明日へ 歩き出しましょう
 家路をたどる 子どもたちのように
 見えなくなるまで ふり返りながら

 あしたも遊ぶ 子供たちのように
 きっとまた会う その時を信じて」


(2012.9.24)

note:CD「あしたへ贈る歌ファイナル~ありがとう25年~」2011.4.20発売
 1986年から始まった由紀さおり・安田祥子姉妹による童謡コンサートツアー。2011年4月、25周年を区切りに従来の形では最後とすることを決めファイナルツアーをスタート。2012年9日23日の東京国際フォーラム公演で幕を閉じました。
 この曲は、そのファイナルツアーのために書かれたオリジナル曲で、まさにオーラスとなったうた。コンサートの構成を手がける山川啓介さんと、音楽監督の坂田晃一さんのコンビによるものです。歳月の重みと絆の強さがあればあるほど、別れの葛藤や哀しみも深くなるはずだのに、安田シスターズはきっぱりと潔く、そして美しい。まるで自然が移り変わるように…。
 顔で笑って心で泣いて…たとえやせ我慢だといわれても、それこそが日本人の別れに対する姿であり、これからも失ってはならない姿だとつくづく思うのです。


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