淀み濁った後で気づいても、
見知らぬ岸辺にたどり着いてから慌てても、
その時ではもう取り返しがつかないのに、
なぜあの人たちは気づかないのでしょうか。
なぜ声高に叫んだり、あるいは猫なで声の
美辞麗句ばかり並べ立てたりするのでしょうか。
「時は川
きのうは岸辺
人はみなゴンドラに乗り
いつか離れて
想い出に手をふるの」
すべてがいつか離れて手を振るものならば、
どうか多くの人がゴンドラに乗り間違えることなく。
そして目に映る景色には、
この美しい国の見慣れた岸辺が千代に八千代にと続きますように。
ただ、そう願ってやみません。
note:「水の影」1978.6.20発売
71年度日本レコード大賞新人賞に輝いたデビュー曲「恋人もいないのに」で知られるシモンズは、ユミちゃんとタエちゃんによる関西系フォークデュオ。アイドル的人気も高かった彼女はデビューから3年後の74年に解散しましたが、77年にティファニーや志穂美悦子にカバーされたことで脚光を浴びた「ふたりだけの結婚式」がきっかけになってか、78年に活動再開。復帰シングルとして発表したのが、毎日放送系のドラマ「幸福の断章」主題歌にしてユーミン書き下ろしのこの曲でした。長らく未CD化でしたが、2013年にやっとCD化されています。
なお、ユーミンは80年のアルバム「時のないホテル」で詩とメロディーの一部を変えてセルフカバー。以来名曲として愛され続け、99年の「シャングリラ」ではクラウンの演奏とともにメンバー紹介で使用されるなど、人気の高い1曲です。
69:振子の山羊
68:どんないいこと
67:北駅のソリチュード
66:四季絵巻
65:水の影
64:さよなら夏のリサ
63:東京ではめずらしい四月の雪
62:dreamland
61:時 -forever for ever-
60:でんでん虫
59:TONIGHT
58:心の中のプラネタリウム
57:この国に生まれてよかった
56:風の笛
55:あしたまた会う子供のように
54:いいもんだなァ故郷は
53:車窓
52:最後の一葉
51:僕のお嫁さん
50:今だけの真実