一挙27枚が旧MEG-CD化&後期4作が配信解禁!
空前のシティポップブームを受けて企画された、ビクターの「マスターピース・コレクション~フィーメル・シティポップ名作選」シリーズ。この中で、一昨年には山下達郎案件として知られる1979年の「パーティー・イズ・オーバー」( こちらで紹介)、今夏には矢野顕子が参加した81年の隠れた名盤「My Dear」( こちらで紹介)と、後期のアルバム2枚がCD再発された桜田淳子さん。
いずれも2007年の紙ジャケ復刻以来ということで、後続にも期待していましたら、なんとLABEL ON DEMAND(旧MEG-CD)に一挙ラインアップ!
市販発売されたばかりの「My Dear」を除くオリアル18枚と、ライブ盤7作9枚(2作はバラ売り)、すなわち「
さらに、未配信だったアルバム4タイトル「
ちなみに、かつてはMEG-CDの名で親しまれたLABEL ON DEMANDは、メーカーの純正CDとは異なり、1枚1枚オンデマンドで製造するCD-R。廃盤音源を入手するにはありがたいサービスで、淳子の場合、シングル盤は既にラインアップされていましたが、アルバムは初。
CD-Rとはいえ淳子のアルバムが販売されるのは、オリアルは2007年の紙ジャケ復刻以来(アンコールプレスの実績はあり)。ライブ盤に至っては08年のBOX( こちらで紹介)のみで単品販売は初となり、買い逃していた人には朗報といえるでしょう。
また、配信ということでいえば、淳子の場合、デビュー40周年を迎えた13年にスタート。最初はベスト盤から始まって、全シングルと初期~中期のオリジナルアルバム(73年のファースト「そよ風の天使」から78年の中島みゆき作品集「20才になれば」まで)が一挙解禁。19年にはライブアルバム全7タイトル( こちらで紹介)が配信となりましたが、79年からのオリアルはストップしたままで、近年、前述の2枚がCD化されたタイミングでそれぞれ配信になるという流れだったんですよね。
よって此度は、長らく置いてけぼりをくらっていた4タイトルがめでたく解禁となり、淳子の全作品(一部を除く)の配信が実現したというワケなのです。
さて、スタ誕登場時から大きな期待を受けた鳴り物入りのデビューだっただけに、アルバムも最初から全曲オリジナルというように当時のアイドルの常識では破格でした。
それは、歌唱や演技という範疇を超え、本気で自らを天使だと信じ、夢や希望、そよ風などおよそ実体のないモノを嘘偽りなく体現してみせるという淳子の才能が、阿久悠さんをはじめとするスタッフ陣の創作意欲をかき立てていったのだと思いますが、余りに力を入れていたせいか、力みすぎて空回りする印象があったのも確かです。
集英社の雑誌募集歌をベースにした恐怖(!?)の朗読アルバム「16才の感情」などはその筆頭といえるでしょうし、若手作家陣と先端のサウンドメイクに挑戦した「熱い心の招待状」などは実験作の最高峰ともいえ、絶対に一聴しておくべきでしょう。個人的には淳子の真骨頂は板の上と思っておりますので、やはりライブ盤のLABEL ON DEMANDをオススメしたいのですが、今回はついに配信解禁となった4タイトルのみ簡単にご紹介させていただきましょう。
まず79年3月リリースの企画盤「愛のロマンス」。同じビクターで二枚看板だった後輩・岩崎宏美の和の童謡集と対をなす、洋の愛唱歌集です。
シャンソンをはじめアメリカン・トラディショナルソング、クラシックまで、日本で古くから愛されたおなじみのナンバーを選曲。
変声期を経て、ぬるくけだるくなった淳子のクセのある歌唱が大丈夫な人なら、きっと病みつきになるであろうアルバムです。こうして聴くと、淳子の歌の上手さ(技巧じゃなく)って、オリジナルでは分からないのかもしれない。淳子独自の解釈というか、歌いこなしている様は、数多の人が歌い、誰もが知ってる曲によって初めて理解できるのではないかと思います。
それから3カ月後、79年6月リリースの「一枚の絵」は最新シングル「MISS KISS/女は自由」をフィーチャーした1年2カ月ぶりのオリジナルアルバム。
自意識過剰な演劇少女時代を経て、自我と向き合い、大人の女性へと成長を遂げた淳子。ジャケットの美しさに思わず息を飲んでしまいますが、百恵ちゃんのそれとは趣を異にする、まことに正統なフォトジェニックさですよね。
内容もジャケットに裏切られることなく、アダルトチックに充実。同時期にハイ・ファイ・セット盤も出た林哲司作品「夕なぎ」を筆頭に、西島三重子、丸山圭子といった女性シンガーソングライターが楽曲を提供。アンニュイで上品な淳子が詰まっていますが、その分、企画色の強いシングル曲が異質で浮いている感もあります。
さて、デビュー以来、年に2枚のペースでスタジオ録音のアルバムを発売してきた淳子にとって、80年は初めてオリアルの出なかった年なのですが、初のミュージカル「アニーよ銃をとれ」に全力投球するなど、シンガー以外の分野へと芸域を大きく広げたことも影響していたのは疑う余地がありません。
もちろんライバル・山口百恵の引退も少なからず関係しているのかもしれませんが、「引退した百恵ちゃんの分まで頑張る!」と言い放った通り、81年の淳子は光り輝いておりました。
持ち前の資質に努力を重ね、潔癖かつストイックに精進を続け、エンターティナーとしての才能を完全開花させた淳子。アニー・オークリーに全身全霊をかけることで、自分にしかできない“芸能”の形をようやく見出した淳子…。
気がつけばすっかり吹っ切れて軽やかになっていた淳子は、シンガーとしても新境地を開拓しますが、その象徴が81年3月の「あなたかもしれない」なのです。
所属事務所・サンミュージックでの淳子の後輩・松田聖子に書いた作品で一躍ヒットメーカーになった小田裕一郎さんを中心に、大村雅朗さんや戸塚省三さんが楽曲を提供。淳子の解放された気持ちに合わせたのか、シャンソンにも似た淳子のぬるくけだるい魅力は影を潜め、まさにさらりと聴きやすいシティポップの様相を漂わせております。
何より素晴らしいのは淳子の歌唱表現力。時には明るく溌剌ポップに、時には芝居じみた華麗さをにじませたり、ペーソスに満ちた小さなミュージカルを観ているよう。声色のコントロールはもとより、詩や曲に頼らず、聴く者に映像を浮かばせる技こそ、天才が努力を重ねて会得した淳子の真髄といえるでしょう。
その後のシングル「ミスティー」やアルバム「My Dear」などで自らの歌のエンターテインメントを結実させた後、9回連続出場した紅白からの落選を経て、結局、歌の方は飛ぶ鳥を落とす聖子に譲るとか何とかで、女優業がメインとなってしまった淳子。
板の上では努力がハッキリとした形となって表れるためでしょうか、それとも生来の一本気な性格のためでしょうか、女優的な活動は、酷評される歌とは違って、高い評価を受けるほどにのめり込んでいったように思います。
欲を言えば、「Lady」の頃に尾崎亜美作品でまとめたアルバムがあったらとか、全盛期に企画されていた荒井由実の書き下ろしLP(ユーミンとの対談でキツイことを言われたのが流れた理由でしょうか…)が実現していたらとか、淳子のアルバムというか楽曲ディレクションに関してはどうしても繰り言を言いたくなってしまいますが、そうしてデビュー10周年を迎えた83年、2年ぶりにして最後のアルバムをリリースします。
それが9月発売の「ナチュラリー」。
デビュー以来、アイドル・桜田淳子の世界観を築いた阿久悠さんに久々に依頼と、もうラストにすることは決めていたんでしょう。阿久さんが淳子への愛情たっぷりに書いた「Yesが欲しい(らぶれたあ)」「台詞」「ヤジロベーは悩んでる」と、14才のデビュー曲「天使も夢みる」と比較すると、非常に感慨深いものがありますが、最大の理解者の協力を得てレコード歌手としてのフィナーレを飾ります。 淳子の歌もしごく自然体で、お芝居同様、全盛期とは真逆の“抜き“のテクニックも自由自在に駆使していますので、どうしても力んでしまうサビの小椋佳作品「眉月夜」ではなく、阿久さんの作品の方をシングルとして切った方が良かったのではと今でも思っております。
ちなみに、阿久さんはいったん淳子から離れる77年にも、その心情を余すところなく映した「青春の一番長い日」という佳作を書かれていますけれど、こちらもけだし名作です。
というのが今回配信された4タイトル。
シティポップのシリーズでCDが出ても何だかスルーされてしまうことが多い淳子ですし、今回のLABEL ON DEMAND一挙発売も話題に上りそうにありませんが、せっかくの機会ですし、若者に広がっている昭和ポップスブームの文脈でも注目され、天性のエンターティナー・桜田淳子の実力と才能が正当に評価され、きちんと語り継がれ、聴き継がれますように。これ、淳子のお願い!
と、毎度おなじみの淳子的なオーバーな結びではありますが、そう願って淳子の素晴らしさを広めていくことこそが、彼女と同時代を生きてきた我々にできる唯一の罪滅ぼしだと思っているのです。
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