矢野顕子も参加! 名エンターティナー淳子の傑作!
空前のシティポップブームを背景に、2021年6月にスタートしたビクターの「<マスターピース・コレクション>シティポップ名作選」シリーズ。
第1期17タイトル( こちらで紹介)、第2期17タイトル( こちらで紹介)などがリリースされておりますが、その女性ボーカル編という位置づけで22年8月から始まったのがUHQCDによる「マスターピース・コレクション~フィーメル・シティポップ名作選」。
ビクターの豊富なカタログの中から、女性アイドル&女優のシティポップ色の濃い作品をセレクトするという展開で、第1弾10タイトル( こちらで紹介)、第2弾13タイトル( こちらで紹介)と、年1回のペースでリリースされてきましたが、第3弾の今年はちょっとスケールダウンして5タイトル。
アン・ルイス「
山下達郎案件として13年のタワレコ復刻盤が激売れしたアンをはじめ、07年の紙ジャケ復刻の際に隠れた名盤として話題になった淳子、90年代のQ盤ブーム時から何度も復刻を重ねている伊代ちゃんのセカンドなど、ビッグネームのアルバムが多いので、知名度的には高村亜留が継子っぽいようですが、彼女も達郎効果でシティポップ的再評価が進み、MEG-CD化やヴァイナル化もされており、今回のタイトルでは突出してセールスが見込めそうな気がします。
であるからして、レア度では麻生真美子&キャプテンがダントツでしょうが、2013年だったか、ソニーミュージックのオーダーメイドファクトリーがビクターやワーナーのアイドルをエントリーしていた際、このアルバムも候補に挙がったものの達成にはほど遠く、すぐなかったことにされた記憶があるんですよね。アイドルフリークには雑食の人が多いようですが、全く食指が伸びないタイプなのかもしれません…。
という5タイトルですが、こちらとしては、やっぱり淳子の「
「引退した百恵ちゃんの分まで頑張る!」と言い放った通り、81年の淳子は光り輝いておりました。エンターティナーとしての才能を完全開花させた「アニーよ銃をとれ」を契機に、自分にしかできない“芸能”の形をようやく見出し、吹っ切れて軽やかになった淳子。
それまでは板の上でしか上手に発揮できていなかった淳子ならではのエンターテインメント力を、音盤でも嫌味なく出せるようになったと思っておりますが、その象徴といえるが前作のアルバム「あなたかもしれない」。時には明るく溌剌ポップに、時には芝居じみた華麗さをにじませたり、ペーソスに満ちた小さなミュージカルを観ているようなパフォーマンスと、詩や曲に頼ることなく聴く者に映像を浮かばせる歌唱表現力は、淳子の真髄といえるものでした。
魅せるという表現でいえば、世間をアッと驚かせたシングル「ミスティー」。オリビア・ニュートン=ジョンを意識したという全身レオタードの衣装や、セクシーな振り付けといったパフォーマンスを含め、セルフプロデュースで創り上げた世界観は、同世代では他の追随を許さない唯一無二のエンタテインメントでありました。
それは、百恵ちゃんという長年の重荷からやっと解き放たれた姿だったのかもしれませんが、こうした81年の淳子のエンタテインメントを集約させたのがこのアルバムなのです。
A面を当時「春咲小紅」のヒットで脚光を浴びていた矢野顕子さんが作曲していますが、特筆すべきは魔の矢野顕子ワールドをアッコちゃんの個性に侵食されずに歌っている点。1曲目の「私は臆病者」は作詞もアッコちゃんで、淳子のモノローグにいきなり引き込まれること請け合い。天才なのに努力を重ね、潔癖でストイックだったゆえに孤高の存在となっていった淳子の心情そのものを映しているかのようで、飛び抜けた傑作といえる出来栄えです。
語り歌、女優歌など、いろんな形容ができる淳子の歌ですが、シャンソンの魂が宿っていることを実感することでしょう。
一方B面は、サンミュージックの後輩・松田聖子をスターダムにのし上げた小田裕一郎さんが担当。前述の「ミスティー」や、紅白での西田敏行さんとダンスが印象的だった三分音楽劇「This Is a “Boogie”」といった先行シングルを中心に久々の自作詩も収録。
AB面それぞれが個性ですが、職人・大村雅朗さんのアレンジによってトータル性が保たれています。
なお、今回もボーナストラックを収録。07年の紙ジャケ復刻の際は、シングル曲のオリジナルカラオケも付いていましたが、今回はそれらを除く4曲。ドラマ主題歌の臨発シングル「玉ねぎむいたら…/哀しみの前奏曲」と、アルバム未収録のB面曲である小田作品「恋はSEE-SAW」と矢野作品「刹那Tic(シングルバージョン)」となっていますが、シングルバージョンの「刹那Tic」は輪をかけて秀逸。YMOワールドツアーを連想してしまう上海チックなテクノバラードに仕上がっております。
また、今回はUHQCDですし、収録シングル「玉ねぎむいたら」「ミスティー」「This is a“Boogie”」の縮小ジャケットや、新規ライナーなど紙ジャケ復刻とは異なるオマケ付きなので、買い増しもオススメです。
いずれにしても、若者に広がっている昭和ポップスブームの中でも、メディアではスルーされてしまうことが多い淳子。ビッグヒットを連発した全盛期さえ再評価されることが少ないようですが、これを機にアイドルの範疇を超えた、日本が誇るエンターティナー・桜田淳子の実力と才能が正当に評価され、きちんと語り継がれ、聴き継がれていきますように。そして、このアルバムをはじめとする後期の音楽性や、ライブパフォーマンスの凄さ(配信ライブアルバムは こちらで紹介)にもスポットライトが当たることを切に願っております。
#1250〜
#1249:西城秀樹 アルバム復刻9
#1248:工藤静香/Love Paradox
#1247:昭和の歌姫伝説
#1246:宮川泰 ヒットパレード
#1245:川島恵/サンシャイン・ガール
#1244:南野陽子/40th Anniversary…
#1243:三木たかしソングブック
#1242:柏原芳恵/ALL TIME BEST
#1241:黒木真由美・ギャル<配信>
#1240:水沢アキ/娘ごころ <配信>
#1239:石川ひとみ/GOLDEN BEST
#1238:松田聖子 45th Anniversary
#1237:久保田早紀/エッセンシャル
#1236:田原俊彦/KING OF IDOL…
#1235:オフコース/コンプリート…
#1234:松田聖子/Seiko My Love
#1233:TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集
#1232:斉藤由貴 UHQCD復刻
#1231:竹内まりや/RCA YEARS Vinyl…
#1230:桜田淳子 アルバム 27タイトル
#1229:中山美穂「ザ・ベストテン」
#1228:岡田奈々/青春のアルバム…
#1227:岩崎宏美 TBS Special Collection
#1226:岩崎宏美 シティポップ 4タイトル
#1225:岡田有希子/ライブ音源初商品化
#1224:中森明菜 プレミアム…
#1223:研ナオコ/今日からあなたと…
#1222:松田聖子/Seiko My Love
#1221:きらめきアイドル~ワーナー…
#1220:THE BEST OF 大橋純子
#1219:ゴールデン☆ベスト DISCO…
#1218:斉藤由貴 WサイダーEPカラー盤
#1217:EPO 6タイトル
#1216:西城秀樹アルバム復刻8
#1215:小泉今日子/Ballad Classics
#1214:キャッツ★アイVSキューピット…
#1213:昭和40年男 presents ミッド…
#1212:ゲルニカ/改造への躍動
#1211:松田聖子 Blu-ray Disc
#1210:栗田ひろみ/ゴールデン☆ベスト
#1209:南佳孝 4タイトル
#1208:ハイ・ファイ・セット 5タイトル
#1207:黒木真由美/12のらくがき
#1206:ケン田村/Light Ace
#1205:松本伊代/サムシングI・Y・O
#1204:桜田淳子/My Dear
#1203:浅田美代子 アルバム配信
#1202:岡田有希子/7インチBOX
#1201:編曲の美学 山川恵津子の仕事
#1200:岡崎友紀/ゴールデン☆ベスト
オススメ復刻盤#1199〜1150
オススメ復刻盤#1149〜1100
オススメ復刻盤#1099〜1050
オススメ復刻盤#1049〜1000
オススメ復刻盤#999〜950
オススメ復刻盤#949〜900
オススメ復刻盤#899〜850
オススメ復刻盤#849〜800
オススメ復刻盤#799〜750
オススメ復刻盤#749〜700
オススメ復刻盤#699〜650
オススメ復刻盤#649〜600
オススメ復刻盤#599〜550
オススメ復刻盤#549〜500
オススメ復刻盤#499〜450
オススメ復刻盤#449〜400
オススメ復刻盤#399〜350
オススメ復刻盤#349〜269
旧・復刻盤53(#268)以前
SonyMusicShop
PONYCANYON
Columbia Family Club
amazon
HMV ONLINE TOWER RECORDS ONLINE
新星堂WonderGOO
Neowing
楽天ブックス
iTunes レコチョク

