ファン投票で収録曲を決めるリクエストベスト!
アニバーサリーイヤーというと、いろんなアーティストのいろんな企画が目白押しで、それぞれのファンにはたまらない記念年ですが、今年はデビュー30周年の85年組が活発なようで、35周年を迎える80年組は日本の芸能史に残るビッグアイドルぞろいのワリに今ひとつの様子。
もっとも80年組は、新人賞レース前半を三つどもえでトップ争いを繰り広げた岩崎良美、松田聖子、田原俊彦からして歌手としていまだ現役ですし、昨年の35周年突入時から現役としての意地が感じられるアニバーサリーイヤー活動が続いております。
例えばヨシリンなら「Yoshimi's Night」と銘打ったアニバーサリーライブ、聖子なら35周年記念のオリジナル・ニューアルバム「 Bibbidi-Bobbidi-Boo
そんな中、この人のアニバーサリー企画のリリースがアナウンスされました!
そう、1980年の6月1日、「大きな森の小さなお家」でデビューしてからピッタシ35年。カナリーガールこと河合奈保子のデビュー35周年記念CD「 私が好きな河合奈保子
とはいえ、彼女の場合、オーストラリアに移住し、2006年に自作のインストアルバム「 nahoko 音
しかし侮ることなかれ、根強いファンが多いアイドルならでは、ファンの投票で収録曲を決めるというリクエストベストになるのだそうです。
6月いっぱいまでコロムビアの特設サイトで投票を受け付け、その結果を反映させたCDを8月26日にリリースするというこの企画。構成はDisc1がソロ名義のシングルA面曲の中から人気投票で上位になった18曲、Disc2がアルバムやB面曲からのリクエストで決める17曲で、全35曲を収録する予定だそうです。
ちなみに投票は1人1回、シングルA面から1曲、B面&アルバム曲から3曲を選ぶというルール。投票フォームは、思い出のエピソードや、なんとご本人へのメッセージを添えられる仕様の上、投票者の中から抽選で30人に「素敵な生写真」がプレゼントされるそうで、コアな奈保子ファンなら絶対に見逃せない、いや、奈保子ファンならば泣いて喜ぶリクエストベスト企画となっています。
そういえば一昨年だったか、娘さんがkahoという名前でデビューし、シングル「 Every Hero / Strong Alone
「ファンのファンによるファンのためのベストアルバム2タイトル」と銘打たれ、全曲対象の「Best of Best」とシングル曲以外対象の「Another side of Seiko」で各3曲を選ぶという企画でしたが、CDショップやツアー会場はもとより、新聞の全面広告を含む大々的な告知の甲斐あって、ハガキ&ネットで1万5千通ものリクエストが殺到。それぞれ上位27曲入りの2枚組限定盤と、13曲入りの1枚もの通常盤がリリースされたのです。
結果、それぞれの1位曲「あなたに逢いたくて」と「瑠璃色の地球」が新録音されボートラ収録されるというオマケ付きとなり、「 Best of Best 13
それは聖子の場合、キャリアが長く現役であるがゆえ、音楽性の変遷が大きく曲数も膨大(当時で366曲)なこと、ファン層が幅広く嗜好が細分化されていること、当時のツアーのセットリスト定番曲や新曲に人気が集まったこと、そして特定の曲を執拗に推す組織票が存在したことなどが原因とされましたが、コアでまっとうなファンほど納得できないという声を多く耳にしましたので、リクエストベストの難しさをつくづく思い知らされたことでした。
その点、河合奈保子の場合は、音楽性の変遷はあるものの元々の曲数もそこまで多くはありませんし、ファン層も固定されている感じなのが功を奏しそう。
アーティストが長く休業している場合は、ファンの嗜好や志向も統一されていく傾向にありますし、何より楽曲の中に当時のいい思い出がそのまま閉じ込められているので、結果はどうであれ、多くのファンが満足できる内容になるんじゃないでしょうか。さらに、投票は1人1回限りという組織票対策もなされていますしね。
とはいえ、楽曲に恵まれ、ヒット曲も多いアーティストだけに、どれに投票するが難しいというファンは多そう。
個人的にも、A面曲自体、70年代アイドルポップスを引きずった初期から、ニューミュージック思案期、ビート系ディスコの変身期、シンガー・ソングライターにシフトしていく後期までかなり幅広く、それぞれに好きな曲があるので今から既に迷っております。
デビューから振り返っても、奈保子の魅力に気づき初めて買ったシングル「ヤング・ボーイ」、カスタネットやカチューシャも含め歌も振り付けも大好きだったのに事故でテレビ出演が途絶えてしまった「ムーンライト・キッス」、前曲とは打って変わってキャラにぴったりな「Invitation」、記念すべき筒美シングル第1作にしてイメチェン成功の「エスカレーション」、「情熱物語」的なサウンドにのせて抜群のリズム感を実感した「UNバランス」、イントロは余りにも「ケアレス・ウィスパー」ですがメロディーは本歌取りという感じの「北駅のソリチュード」、TVジョッキーで初めて見てあまりのカッコよさに愕然としてレコード店に走った「ジェラス・トレイン」、メロもサウンドもどんどん高度で難解になっていく中で久々にポップでわかりやすさ全開となった「涙のハリウッド」などなど、思い返せば止まらない感じ。
と、当時からアルバムも含めひと通り聴いてきたものの、さほど思い入れは強くなかったワタシですらこうのなのですから、コアなファンの皆さんの葛藤がわかるような気がします。
B面曲も、最初からA面より大好きでこっちをデビュー曲にした方がいいと思っていた「ハリケーン・キッド」、素直な声の伸びが彼女の最大の魅力であることを知った「青い視線」と初期曲を中心に捨てがたいナンバーがたくさんありますけど、今の気分は「すべてをあなたに」な筒美作品「プールサイドが切れるまで」で決まりです。
「ジェラス・トレイン」もそうですけど、アダルト・コンテンポラリー期の奈保子ファルセットのスキャットは、黒っぽいフィーリングが素敵なんですよね。そういう意味では、グルーブがスゴいのに軽いヨシリンとは逆のベクトルで岩崎宏美の後継者という気がします。
一方アルバムでは、ヨーロッパ旅行の折実際に現地で聴いた「 さよなら物語
こうしていろいろ振り返ってみると、どんな歌でもソツなくこなす器用さと歌の上手さに感心しますが、彼女はやっぱり根っからの演技派ではない分、「ストロー・タッチの恋」や「微風のメロディー」といったナチュラルな本質を生かしたナンバーでこそ最も輝くように思います。
インパクトは弱いけれども、ああいった路線を基本に貫いていれば、河合奈保子の実績や楽曲、存在感などが実際より過小評価されることはなかったような気がしています。
正直、売野雅勇さんとの相性はよくなかったと思っておりますから、「エスカレーション」が売野さんではなかったら、それ以降のメイン作詞家も他の方になったでしょうし、そうすればもっと河合奈保子らしい曲でヒットを飛ばし、松田聖子と並ぶくらい、歳月を経ても広く一般に支持される曲がもっとたくさん持てたかもしれないという気もします。
またまた話が大仰になってしまいましたが、果たしてどんな曲が上位に食い込むのか、投票の結果が大いに気になるところですね。ともあれ、リクエストベストは、基本かなりコアなファン向けのアイテムだと思いますので、ビギナーの方はまずはヒット曲を集めた気軽なベスト「 河合奈保子 ゴールデン☆ベスト
シングル全曲をコンプリートしたい場合にはニーズに合わせて選べるA面集「 河合奈保子ゴールデン☆ベスト ~A面コレクション~
ちなみにアルバムは限定BOX「
(2015.6.1)
*投票結果、収録曲(35→37曲に変更)は次の通りとなっています。
[Disc 1] シングルA面の上位曲
(1)スマイル・フォー・ミー(2)ハーフムーン・セレナーデ(3)ラブレター(4)デビュー~Fly Me To Love(5)Invitation(6)大きな森の小さなお家(うち)(7)涙のハリウッド(8)夏のヒロイン(9)エスカレーション(10)唇のプライバシー(11)十六夜物語(12)けんかをやめて(13)ストロー・タッチの恋(14)ジェラス・トレイン(15)ムーンライト・キッス(16)Harbour Light Memories(17)ヤング・ボーイ(18)愛してます(19)ラヴェンダー・リップス
[Disc 2] シングルB面&アルバムからの上位曲
(1)Sky Park(2)ハリケーン・キッド(3)桜の闇に振り向けば(4)言葉はいらない~Beyond The Words~(5)若草色のこころで(6)モスクワ・トワイライト(7)星になるまで~NIGHT AFTER NIGHT~(8)想い出のコニーズ・アイランド(9)LOVE(10)Twilight Dream(11)夢かさねて(12)夢みるコーラス・ガール(13)FOR THE FRIENDS(14)プリズム・ムーン(15)SENTIMENTAL SUGAR RAIN(16)青い視線(アルバム・バージョン)(17)ANGELA 手をひいてアンジェラ(18)黒髪にアマリリス