おそろいで聴きたい、しあわせ&ナミダのうた!
光と陰、善と悪、正と負、喜と怒、雌と雄、太陽と月…すべて相反するもののバランスの上に成り立っているこの自然界。しかし、昨今はいろんな意味で二極化傾向がさらに進んでしまい、白黒ハッキリつけないと気がすまない、自分が正しいと思うコト以外は認めないし受け付けないとでもいうよーな、とってもおかしな風潮になってきている気がします。
昨年、我々は大いなる自然の中のほんの一部にすぎず、その中で身の程をわきまえて生きなければならないことを身をもって知ったはずだのに…と、情けなくなったりしますけど、清濁あわせのむほどでなくとも、大自然の摂理のままに相反するどちらのものも受け入れ、その上でただ淡々と生きていかれたら、実は多くのことが解決していくように思うのですけれど。
そしてそれは、いろんなうたを聴き、ともに口ずさんでいくことで実践できていく…なんてマジで信じているのです。目には見えないけどやさしくて強い、うたという力のおかげで…。
と、またまたオーバーな感じになってしまいましたが、そんなとき、いろんなうたを気軽に聴けるコンピ盤が重宝するもの。
うれしい時にしあわせのうたを、哀しいときにナミダのうたを…というように、シチュエーションに合わせて選べるCD、しかも多感な頃の感覚を取り戻せるナツメロ系だとなおありがたいものですが、来週発売となる2枚組2タイトルなんかはそのものズバリ。手前ミソではありますが、自信を持ってオススメしたいと思います。
まずは、ウキウキしあわせな気分になれる名曲をコンパイルした「 しあわせのうた 」。
ドリカムの名曲「うれしい! たのしい! 大好き!」(おなじみのコーラス入りでハッピーになれるEVERLASTING’VERSION!)を皮切りに、元気ハツラツ国際青年年、佐野元春の「Young Bloods」まで全34曲がギッシリ。
バンド系が多いのですが、いかにも的にわかりやすいパワフルソングだけじゃなく、今井美樹「瞳がほほえむから」や知世ちゃんの「天国にいちばん近い島」などのほんわかミディアム、ナンノの「楽園のDoor」みたいにほのかな希望と勇壮感漂うマイナー調など、ゆっくり元気になっていくうたアイドルソングが入っているのも特徴的です。
個人的には、コンピには入っていそうで入ってなかった大江千里クンの「十人十色」や、アル中ではないため25年ぶりに聴いたTHE ALFEE「風曜日、君をつれて」が新鮮に思えましたね。あと、CKBの「あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。」では刷り込み通り体操したくなったりして…。
そしてタイトル通り“涙”にまつわる楽曲をまとめた「 ナミダのうた 」。
幅広い時代の音源から30曲はチョイスされていますが、コレがいいのは女性ボーカルのFemale Side、男性ボーカルのMale Sideという2枚のディスクの分け方。聴きやすく、流しやすく、いろんな場面で役立ちそうです。
こちらもディスク1オープニングのドリカム(「すき」)から、今井美樹 (「 Miss You」)、チャラ(「月と甘い涙」)ら歌姫がそろい踏み。松田聖子の最大ヒットのソニーバージョン「あなたに逢いたくて 2004」、中村あゆみのコブクロカバー「蕾」 や、鈴木祥子のキョンキョンに書いた「優しい雨」のセルフカバーという趣向もあるほか、沢田知可子「会いたい」、岡本真夜「Alone」、杏里「オリビアを聴きながら」など、泣ける歌の定番も入っています。
一方男性陣では、チャゲアスの懐かしい「終章(エピローグ)~追想の主題」がオリジナルバージョンで収録されているほか、ハマショーの「片想い」、BEGIN「涙そうそう」、スタレビの「木蘭の涙」などスタンダードがいっぱい。
女性編と同じく、角松敏生によるミポリンの提供作「You're My Only Shinin' Star」のセルフカバーや、稲垣潤一が先にシングル化した大滝詠一「Bachelor Girl」、財津さんのセルフカバーがヒットした「サボテンの花」のオリジナル・チューリップ版などの趣向が凝らされています。
このCDに限るワケではありませんが、例えば、気持ちがへこんでしまった自分をどうにかして奮い立たせたい時には、すべてを肯定してくれる励ましソングや自分応援歌を。あるいは、今日だけはと悲劇の主人公を気取って悲しみにひたっていたい時には、ドロドロした気持ちさえ美化し昇華してくれるバラードを。
そんな風にして、うたとともにひとときを過ごせば、自分自身というものをきっと取り戻せる。そしてまたニュートラルな気持ちで日常を過ごしていくことができる。そしたらガチガチに固まってたものも全部溶け出して、いろんな問題も解決できるように思うのですが…。
(2012.9.27)