40周年でEMI時代のアルバムもついに復刻!
2005年にスタートしたエレックレコード完全復刻プロジェクトにより、エレック時代のアルバムはすべて復刻が実現し、今年2月に出た「 ゴールデン☆ベスト ずうとるび 」でついにエレック時代のシングルAB面もCD化が叶ったずうとるび。
それにつけても東芝EMI時代は…という感じで、ユニバーサルに吸収されてしまった今では半ばあきらめておりましたが、レコードデビューから40年という節目の今年、ついに実現いたします!
エレック倒産後の東芝EMI移籍第1弾アルバム「 ファイト!! 」(76年10月リリース/オリコン最高17位)から、7結婚脱退を記念した山田クンのラストアルバム「 明日の花嫁さん~ビバ・ジャパン’77 」(77年7月/55位)、新メンバー池田クン加入後初の「 Beginning 」(78年2月/74位)、そして結局はずうとるび最後のアルバムとなってしまった「 真夜中のピクニック 」(78年8月/チャートインならず)という4タイトル。熱心なファンなら感涙の一挙同時発売です!
今では山田クンの座布団運びも定着しましたが、笑点・ちびっこ大喜利のご褒美として74年にレコードデビューを果たしたずうとるび。
コミカルながら当初は流行のフォーク志向で、作詞作曲の才能も発揮した山田クンのオリジナルを中心にスタートを切ったのですが、ドタバタ系アイドルグループとして話題となり、シングルも「みかん色の恋」や「恋があぶない」がヒット。75年には「初恋の絵日記」で紅白出場も果たすなど、絶大な人気を誇ったのでした。そういえばアルバムが売れていたのも、エレックの所属らしかったですよね。
明るくて楽しくてドジなんだけどニクめない…そんなクラスの人気者・山田クンをはじめ、ノッポの新井クン、二枚目半の江藤クン、大人しいけど賢そうなヨシキと、それぞれにクラスメイト並みの親近感を覚えたことを思い出しますが、やっぱりエレック倒産を経ての移籍と、それに並行して目立ってきたソロ活動が大きなターニングポイントだったように思いますが、とどめはやっぱり山田クンの脱退でした。
山田クンの跡を継いだのは、公募で選ばれたハンサムな池田クン。きちんとバトンタッチも行って、円満な再スタートを切ったのですが、山田クン不在のずうとるびは、いくら江藤クンがコミカルに頑張っても、もうずうとるびじゃなくなった感じがしたのも事実です。
今回の復刻は、ちょうどその時代のアルバム。前半2枚が山田クン時代、後半2枚が池田クン時代となっておりますが、この中でも注目は、やはり山田クンラストの「明日の花嫁さん~ビバ・ジャパン’77」でしょう。
グループ名はビートルズをひっくり返したことで知られるずうとるびですが、このアルバムではご本家の名盤「アビイ・ロード」をズバリ意識してイギリスで撮影されたというジャケットからして、原点に返ったようなムードとなっています。
岩谷時子さんとのコンビによる結婚脱退記念シングル「明日の花嫁さん/二人の夏」を含め、およそ半分の楽曲を山田クンが手がけているというのも山田クンのオーラスにふさわしい内容と言えるんじゃないでしょうか。
熱心なファンにはこの上ない復刻だと思うのですが、問題が一つありまして…。実は、今回のアルバム4タイトルでは東芝EM時代のシングルを網羅できないんですよね。
移籍第1弾シングルにして阿久悠+三木たかしコンビの「大した娘だよキミは」や、キャッチーな「ふとしたはずみで」、グリコ・スカイミントのCMソング「スカイランデブー」と「Love Trip」、男PLみたいな衣装にビックリした「あの娘は宇宙人」、新井クンがメインとなった「ウッカリBOY チャッカリGAL」など、80年までリリースを続けたシングル曲がたくさん漏れているんです。
このあたり、ボーナストラックとして補完されることを願っていますが、薄いファンはやはりシングルベストをまず先に聴きたいものだと思いますので、EMI時代のシングル曲をコレクションしたG☆Bが出ることを祈ってます。あれ、なんだかエレック時代と同じ流れですね…。
(2014.4.14)