恋の喜びと悲しみを知る人すべてに捧げる、恋うたコンピ!
古今東西、神代の昔から、うたの基本となっているのはラヴ・ソング。恋するがゆえにさまざまな感情が生まれ、思わずうたを詠んでしまうのは、人間の普遍的な行為といえるでしょう。
うたって、うれしいときも、悲しいときも、どんな時もココロにそっと寄り添ってくれる存在ですけれど、恋愛をしているときは余計に密着度が高まるもの。自分でも整理できていない感情を、ぴたりと表しているうたに出会ったときなど、共感を通り越して自分の一部のように思えてしまうこともあったりして。
それは若い人だけのものではなく、年を重ねてもきっと続くものだと思います。
うたの世界に感情移入してしまったことや、うたを聴いただけでその時の恋愛がクリアによみがえってきたという経験は、きっと皆さんおありだと思いますが、そんな視点でラヴ・ソングを集めたコンピ盤が来週にリリースされます。
1990年代〜2000年代前半のナンバーを中心に、恋するシアワセな気持ちを歌った曲を集めた「 ラヴ・ソングス~恋しくて~ 」と、恋の終わりに聴きたい曲を集めた「 ラヴ・ソングス~悲しくて~ 」という2タイトル。
それぞれギッシリ詰め込んだ2枚組なのに3,150円とお買い得、恋愛経験豊富なアラフォーのハートを直撃しそうな内容になっています。
まずは恋におちた時にオススメ、思わず一緒に口ずさみたくなる恋のヨロコビ、あふれる想いを歌ったラヴ・ソング全32曲の「Love Songs~恋しくて~」。
やっぱり90年代以降の選曲らしく、チャゲアスのドラマ「妹よ」主題歌「めぐり逢い」をオープニングにほとんどがタイアップの付いたヒットソングですが、中にはドリカムのデビューシングル「あなたに会いたくて」をはじめ、大貫妙子「Shall we dance ?」や大滝御大の「幸せな結末」など、こういうコンピではわりとスルーされがちな名曲やメンツが入っているのもステキ。
個人的には、岡村ちゃんのだいすきな「だいすき」が収録されたのにオドロキ。イケナイコトの罪滅ぼしも終わったようですし、天才・岡村ちゃんのカムバックにも期待したいですね。
ブリグリの「There will be love there -愛のある場所-」、太田裕美さんもライブでカバーしたYEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」、火事も心配なUA「甘い運命」あたりは、今もってよく聴きたくなりますし、DEENの池森クンの美声に酔いしれる「このまま君だけを奪い去りたい」(今回は2005 年バージョン)やオリジナル・ラヴ「朝日のあたる道」、ユニコーン「すばらしい日々」なんかはカラオケのレパートリーだったりします。
そして、片想いや失恋した時にオススメ、1人でそっと聴きたい、心に寄り添うラヴ・ソング全32曲の「Love Songs~悲しくて~」。
1曲目はドリカムの「すき」。あの静謐なナンバーに見事にヤラレてしまいますが、今井美樹屈指の勇気の出る名曲「PIECE OF MY WISH」、プリプリの「M」、松田聖子「あなたに逢いたくて 2004」(コレはロイヤル・フィルと共演したバージョンですが、ホント粘っこい)など、きっとみんなが励まされたり、胸を切なくしたりしたであろう曲がいっぱい。
男性陣の活躍もすごくて、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、中西保志「最後の雨」、徳永英明「壊れかけのRadio」の3連発を聴いた日にゃ、ラブロマンスの主人公ですぞ。もっと売れてほしかった楠瀬誠志郎「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」、何かとお騒がせですがホントに素晴らしい玉置浩二の「メロディー」など、バラードの名曲群にも涙です。
個人的にはレベッカの「フレンズ」(今回はremixed edition)こそ、若き日の大恋愛にまつわるうた。この曲を聴くと、喜びと悲しみが紙一重のような、不安だけど心地よいフィーリングを感じます。島崎和歌子との映画を思い出す大江千里クンの「あいたい」の頃は、恋愛最高潮だったかも。小室さんのシンセのイントロを聴くだけで、忘れていたひとの面影が出てきたりします。
みさっちゃんの「いつか きっと」、衝撃的だったCocco「強く儚い者たち」、UAの出世作「情熱」なんかも、それぞれに恋の想い出があったりして…。谷村有美「信じるものに救われる」を聴くのはホント当時以来ですが、励まされますよね。
年を重ねていくうち、同じうたでも解釈が違ってきたり、思いもよらぬ真意に気づいてハッとしたり、そういうことも多々ありますが、そんな再発見を感じられるかもしれませんね。
というように、いま恋をしている人も、これからしようと思っている人も、しばらく遠ざかっている人も、ペアでそろえて聴けば大きな力をもらえそう。
プラトニックであろうが、エロティックであろうが、いくつになっても恋心は大切なものだと思うし、齢や環境を気にして新しい恋にためらっている人も、時が美化した過ぎし日の恋を一人静かにしのびたい人も、ぜひこのコンピをどうぞ。
(2010.9.28)