500セット限定EP-BOX、スチャダラな21枚組!

　昨年、デビュー40周年を迎え、31年ぶりとなる全国ホールツアー「KKPP（Kyoko Koizumi Pop Party）」（CD「 KKPP ～TOUR 2022 Live at 中野サンプラザホール～」、ブルーレイ「 KKPP ～TOUR 2022 Live at 中野サンプラザホール～」＆DVD「 KKPP ～TOUR 2022 Live at 中野サンプラザホール～」でソフト化済み）を敢行したほか、配信ライブのソフト化「唄うコイズミさん」（DVDは「 唄うコイズミさん DVD」）やベスト映像集「コイズミエキシビション～コンプリートビジュアルベスト1982-2022～」（ こちらで紹介）などもリリース。数々の記念プロジェクトを成功に収めた小泉今日子さん。
 
　なんてったってアイドル、アイドルとしての過去に責任を持つ姿勢は長年のファンを大いに喜ばせましたし、「小泉今日子のオールナイトニッポンPremium」の80年代アイドルソング特集では、アイドルでありながらアイドルおたくだった一面を垣間見せたほか、自身BTSの大アーミーになってコアなファン心理も理解したというだけあって、充実したアニバーサリーイヤーとなったのは記憶に新しいところです。
 
　今や株式会社明後日の代表取締役でもあるコイズミさんですから、歌手のみならず、主体的でマルチなアーティスト活動も精力的。ライフワークである朗読と歌で綴るステージとその音盤化「 マイ・ラスト・ソング アンソロジー」（ こちらで紹介）や、本や本に関わる人たちと語らうポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」の書籍化（「 ホントのコイズミさん YOUTH」「 ホントのコイズミさん WANDERING」）が相次いでおりますが、ここに来て、ツアー第2弾となるクラブツアー「KKCP 90's」の開催が決定。
　コイズミさんがクラブ系ミュージシャン達とコラボレートした90年代にスポットを当てたツアーということで、これに合わせ、その時代の盟友だったスチャダラパーのプロデュースによる初のドーナツ盤21枚組BOX「 ウルトラ・アルティメット・マスターピース・エクセレント・エクスクルーシブ・ベストクオリティ・シュープリーム・パーフェクト・ネバーエンディング・オーサム・ラグジュアリー7inch BOX『Missドーナツ』」のリリースが決定しました！
 
　であるからして、今回のBOXは昨今のヴァイナルブームの流れに位置する復刻盤というよりも、皿回しが本業とも言えるスチャダラの3人が「自分たちが本当に欲しいキョンキョンのアナログBOXを作る！」というコンセプトで、企画、選曲、タイトル、デザインまでを手がけた至極私的な企画モノといえるんじゃないかと思います。
 
　名付けて、ウルトラ・アルティメット・マスターピース・エクセレント・エクスクルーシブ・ベストクオリティ・シュープリーム・パーフェクト・ネバーエンディング・オーサム・ラグジュアリー7inch BOX “Missドーナツ”という、らしいネーミングが付けられております。
　というワケで、シャレオツなプロダクツではあるものの、アイドルマニア的視点のコレクターズアイテムではないようなので、要注意を申しつつ中身をご紹介しますと…アナログ7インチ21枚は、82年のデビュー曲「私の16才」から2014年の中井貴一さんとのデュエット「T字路」まで、パッケージとしてリリースされていたシングルA面40曲をカップリングした20枚に、アルバム曲とB面曲をカップリングした「この涙の谷間／やつらの足音のバラード」を加えた21枚ということですが、手厳しい御仁には物議を醸しそうなんですよね。
 
　天野春子名義の「潮騒のメモリー」は入っているのに、あんみつ姫名義の「クライマックス御一緒に」は入ってないとか、両A面シングルでも「風のマジカル」や「DUNK（男区）」は入っていないのに「1992年、夏」は入っているとか、アイドルマニアは几帳面な人が多いのでブーイングが出そうですが、個人的にはビクター往年の「ゴールデン・ミリオン・シリーズ」や「永遠のEP盤」シリーズを彷彿とさせて胸熱。コイズミさんの場合、A面同士のカップリング企画はCDシングルでありましたが、アナログ盤では出ていませんからね。
 
　また、7インチBOXなので「ヤマトナデシコ七変化（Long Version）」「ハートブレイカー」「水のルージュ」「夏のタイムマシーン」といった12インチは除外されていますが、プロモーションシングルのみで出ていた「短編 夏のタイムマシーン」がチョイスされております。
　昨年のツアーでも大評判を呼んだ筒美京平作品のショートバージョンですが、商品化は98年のCD「筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス 80's GIRLIE POP」以来。
 
　他にも、オムニバスCDにも入らず未CD化だという「Fade Out（short version）」はアナログといえどもレア音源だと思いますし、オリジナルルリースがアナログでなかった「見逃してくれよ！」以降はジャケットのリデザインも貴重。
　ブックレットにはスチャダラパーによる全曲解説が掲載されるとのことで、やっぱり入手しておきたいアイテムといえそう。
 
　なお、最近のアートワークではおなじみの河村康輔デザインによる永久保存版BOX仕様で、シリアルナンバー入り500セット限定商品。特殊商品につき高額ですし、ビクターオンラインストアでの限定販売だそうですから、予約必至。入手されたい方は早い者勝ちですぞ！